当仁不譲
読み方
とうじん ふじょう
意味
仁、すなわち人として正しいと信じる行いに当たっては、たとえ師や目上の人が相手でも遠慮して譲るべきではない、という意味。正義や道理のためには、権威に盲従せず信念を貫く態度をいう。単なる頑固さや自己主張の強さを表す語ではない。
由来
中国の古典「論語」衛霊公篇にある孔子の言葉「当仁、不譲於師(仁に当たりては、師にも譲らず)」に基づく。孔子が生きた春秋時代、紀元前6〜5世紀ごろの思想を伝える言葉で、仁を実践することについては師に対しても遠慮する必要はない、という教えである。
分類・構成
備考
主に文章語・格調高い表現として用いる。「師にも譲らない」が原義だが、現在は広く、道理や正義のために信念を曲げないことをいう。相手を押しのける利己的な態度を褒める語ではない。
誤用・混同注意
- 「当人不譲」と書くのは誤りで、正しくは「当仁不譲」。
- 単に自分の意見を譲らない頑固さをいう語ではなく、仁・正義にかなう事柄について信念を貫く意である。
例文
- 不正の是正を求める場では、相手が恩師であっても当仁不譲の姿勢が必要になる。
- 彼は弱い立場の人を守るという点では当仁不譲で、会議でも意見を撤回しなかった。
- 若手社員も、会社の利益と社会的な正しさが衝突するなら、当仁不譲の気概を持つべきだ。