屠門大嚼
読み方:ともん たいしゃく
意味
実際には手に入れられない物事を、想像したり眺めたりすることで、あたかも得たかのようにして自分を慰めること。肉を食べられない者が、肉屋の店先で肉を思い浮かべながら口を動かして食べた気になる、というたとえである。
由来
後漢初の思想家・桓譚(かんたん、前43年頃~28年頃)の著とされる中国古典『新論』に由来する。長安の楽しさを聞いた者が西を向いて笑い、肉のうまさを知った者が肉屋(屠門)の前で大いにかむ、という趣旨の文章から生まれた。実物を得られないまま、空想によって欲望を慰める意を表す。
備考
日常会話ではまれで、文章語・教養語として用いられる。単に「たくさん食べる」の意味ではなく、得られない物を空想で補うという、やや皮肉を帯びた表現である。
誤用・混同注意
- 「大嚼」を「たいかく」と読むのは誤り。正しくは「たいしゃく」。
- 単に肉を豪快に食べる意味と解するのは誤り。実際には得られないものを想像で慰めるたとえである。
例文
- 限定品を買えない彼は、購入者のレビューを何度も読んで屠門大嚼の慰めを得ている。
- 旅行番組を見るだけで現地の料理を味わった気になるのは、ある意味で屠門大嚼だ。
- 資金も計画もないのに成功後の暮らしばかり語るのでは、屠門大嚼に終わってしまう。
分類
類義語
対義語
- 如願成就
- 満願成就