安貧守分
読み方:あんぴん しゅぶん
意味
貧しい暮らしにも不平を言わず満足し、自分の身分・境遇・能力に応じた分を守って生きること。「安貧」は貧しさに安んじること、「守分」は自分の本分や分際を守ることをいう。
由来
「安貧(貧しい生活に安んじる)」と「守分(自分の分・本分を守る)」を結び付けた漢語的な四字熟語である。中国古典に見られる処世観や儒教的な節度の考え方を背景とするが、「安貧守分」という四字のまとまった形の特定の典拠・成立年代は明確ではない。日本では漢文・漢語の教養とともに定着した語と考えられる。
備考
現在では、控えめで節度ある生き方をほめる文脈で使われる一方、「分際を守る」という語感には身分秩序を前提とする古い価値観も含まれる。貧困そのものを肯定・強要する語ではない。
誤用・混同注意
- 「安貧楽道」と混同されやすい。両者は近い意味だが、「安貧楽道」は貧しさに安んじて道を楽しむことを強調する。
- 「守分」を単に『我慢する』という意味に限定するのは不正確で、自分の本分・立場に応じて節度を守る意を含む。
例文
- 祖父は安貧守分を旨とし、ぜいたくを求めずに家族を支えた。
- 彼女は出世競争から距離を置き、安貧守分の暮らしを選んだ。
- 安貧守分という価値観は、物の豊かさより心の充足を重んじる生き方として語られることがある。
分類
類義語
対義語
- 驕奢放逸
- 栄耀栄華
- 富貴栄達