夷険一節
読み方
いけん いっせつ
意味
世の中が平穏で順調なとき(夷)にも、危険や困難に直面するとき(険)にも、変わらず同じ節操・信念を守り通すこと。「一節」は、節操を一つにして変えない意。
由来
中国の歴史書『後漢書』王龔伝にある「夷険一節、群儒所宗(夷険に一節、群儒の宗とする)」に基づく。後漢時代(1~2世紀ごろ)の人物である王龔が、順境・逆境を問わず節操を守ったことをたたえた表現である。『後漢書』自体は南朝宋の范曄が5世紀前半(およそ432~445年)に編纂した。
備考
「夷」はここでは「えびす」ではなく、平らで安らかな状態をいう。「険」は険難。日常会話よりも、人物の節操や生き方を格調高く評価する文章で用いられる。
例文
- 彼は出世してからも左遷されてからも夷険一節で、信念を曲げなかった。
- 不正を告発するには、周囲の反対や圧力に屈しない夷険一節の姿勢が求められる。
- 祖父は戦中も戦後も夷険一節、地域の人々のために働き続けた。
類義語
対義語
- 変節
- 見風転舵
- 朝令暮改