大方無隅
読み方
たいほう むぐう
意味
「本当に大きな四角形には、隅が見分けられない」という字義。転じて、真に偉大な人物・事業・道理は、狭い尺度や決まった型ではとらえきれず、目先の形や細かな差異を超えた大きさ・広がりをもつことをいう。
由来
中国の思想書『老子』第四十一章にある「大方無隅、大器晩成、大音希声、大象無形」に由来する。『老子』は戦国時代、紀元前4〜3世紀頃に成立・編纂されたと考えられるが、正確な成立年や作者には諸説ある。「大方」は非常に大きな四角、「無隅」は隅がないことを表す。
分類・構成
備考
日常会話で使われることは少なく、主に漢文・思想・評論の文脈で用いられる。「大方」は「おおかた」ではなく「たいほう」と読む。原義の「方」は方形、すなわち四角形を指す。
誤用・混同注意
- 「大方」を「おおかた」と読むのは誤りで、この四字熟語では「たいほう」と読む。
- 「無隅」を「むすみ」などと読まず、「むぐう」と読む。
例文
- 老子のいう大方無隅とは、真に大きなものは一つの形式だけでは測れないという思想である。
- 彼の構想はすぐには輪郭をつかみにくいが、大方無隅の視野から生まれた事業だといえる。
- 既成の分類に収まらないその芸術家を、批評家は大方無隅の人物だと評した。
類義語
- 大象無形
- 大巧若拙