多難興邦
読み方:たなん こうほう
意味
国に困難や災難が多いとき、国民が結束したり改革が進んだりして、かえって国が発展・繁栄することがあるという意。多くの苦難を乗り越えることが、国家を興す契機になるという考えを表す。
由来
中国の歴史書・古典である「春秋左氏伝」昭公四年(紀元前538年ごろ)の「或多難以固其国、啓其疆土(あるいは難多くして、その国を固くし、その疆土を開く)」という趣旨に基づく。近隣国の困難が、結果としてその国を強固にし領土を開くこともある、という文脈から、「多難興邦」の形で用いられるようになった。
備考
主に国家・社会全体の危機について用いる硬い表現。災害や苦難そのものを肯定する語ではなく、困難を乗り越える過程で発展の機会を得るという趣旨である。
誤用・混同注意
- 「多難興国」と書くのは一般に誤りで、正しくは「多難興邦」。
- 「困難が多ければ自然に国が栄える」という意味ではなく、困難を克服することで発展につながるという趣旨。
例文
- 長期不況を機に産業構造を改革できれば、多難興邦の契機となるかもしれない。
- 首相は、多難興邦の決意で危機を乗り越え、国の再建を進めると述べた。
- 震災からの復興を語る際に多難興邦という言葉を使うなら、被災者への支援を最優先にする姿勢が欠かせない。
分類
類義語
- 艱難辛苦
- 禍を転じて福と為す
- 災い転じて福となす