四句百非
読み方:しく ひゃっぴ
意味
仏教で、物事を「有る・無い・有るとも無いともいえる・有るとも無いともいえない」という四つの判断(四句)のいずれかで断定することを、ことごとく否定する考え方。真理や悟りは、言葉や概念による分別・論理だけでは捉えられないことをいう。
由来
インド仏教の中観思想、特に龍樹(2~3世紀頃)の説く「四句分別」の否定に基づく仏教語である。中国仏教で、有・無・亦有亦無・非有非無という四つの断定を退ける思想が「四句百非」として定着した。「百非」は四句をさらに細かく分けた多様な否定を総称し、あらゆる固定的な見方を離れることを表す。
備考
主に仏教哲学・禅の文脈で用いる専門的な語。「多くの誤り」という意味ではない。「四句百非を絶する」の形でも使われる。
誤用・混同注意
- 「四苦百非」と書くのは誤り。正しくは「四句百非」。
- 「しくひゃくひ」と読まず、通常は「しくひゃっぴ」と読む。
- 単に「百の誤り・非難」を意味する語だと解するのは不正確。
例文
- 禅師は、悟りの境地は有無の分別を超えた四句百非の世界だと説いた。
- この真理は、四句百非を絶するものであり、言葉だけで説明することは難しい。
- 研究者は、中観思想の特徴を、四句百非によって実体視を退ける点にあると説明した。