器満則覆
読み方
きまん そくふく
意味
器に水などを満たしすぎると、やがてひっくり返ってしまうという意から、物事は満ち足りて極点に達すると、かえって衰えたり破綻したりしやすいことをいう。成功・富・権勢を得たときほど、慢心せず節度を守るべきだという戒め。
由来
中国の戦国時代末期、紀元前3世紀ごろに成立したとされる『荀子』の「宥坐」篇に由来する。孔子が廟で「宥坐の器」を見て、空なら傾き、中ほどなら正しく立ち、満ちると覆る(「虚則欹、中則正、満則覆」)と教えられた故事を踏まえる。「器満則覆」はこの内容を四字にまとめた表現である。
分類・構成
備考
故事成語として用いられるが、日常会話ではまれ。単なる「満杯ならこぼれる」という意味ではなく、成功・権勢・欲望が極まった際の慢心と没落を戒める表現である。訓読では「器満つれば則ち覆る」という。
誤用・混同注意
- 「覆」を「復」と書くのは誤り。正しくは「器満則覆」。
- 「則」を「即」と書く表記は標準的ではない。
例文
- 会社が急成長している今こそ、経営陣は器満則覆を肝に銘じ、無理な事業拡大を慎むべきだ。
- 受賞しても彼が謙虚な姿勢を崩さないのは、器満則覆という戒めを大切にしているからだ。
- 歴史上の王朝の衰退を学び、繁栄の絶頂には器満則覆の危うさがあると感じた。