同体大悲
読み方:どうたい だいひ
意味
仏・菩薩が、自分と他者、また一切の衆生を本来は一体であると捉え、その苦しみを自分自身の苦しみとして救おうとする、きわめて深く大きな慈悲をいう。「同体」は自他不二、「大悲」は衆生の苦を取り除こうとする大きなあわれみの意。
由来
仏教語。中国・隋代の天台大師智顗(538~597)による『摩訶止観』などで説かれる、分別を超えた慈悲の思想に基づく語とされる。とくに「無縁大慈・同体大悲」という形で、仏が衆生を自分と隔てないものとして救済する慈悲を表す。日本には天台教学の伝来とともに、平安時代初期以降に広まった。
備考
主に大乗仏教・天台教学で重視される語。単なる感情的な同情ではなく、自他を隔てないという悟りに基づく慈悲を指す。対になる表現に「無縁大慈」がある。
別表記
- 同體大悲
誤用・混同注意
- 「大慈大悲」と混同して、「同体」が表す自他不二・衆生との一体性という意味を落として理解することがある。
例文
- 被災地への継続的な支援には、苦しむ人を自分と切り離さない同体大悲の心が求められる。
- 菩薩の同体大悲は、親しい人だけでなく、すべての衆生に向けられる慈悲である。
- 住職は法話で、相手の痛みを自分の痛みとして受け止めることが同体大悲の実践だと説いた。
分類
類義語
- 大慈大悲
- 無縁大慈
- 同体の慈悲
対義語
- 利己主義
- 自己中心