厚往薄来
読み方:こうおう はくらい
意味
人との交際において、こちらから贈り物や厚意を示すときは手厚くし、相手から受け取るものは少なく控えめにすること。多い見返りを求めず、相手を厚遇して信頼や親交を得ようとする姿勢をいう。
由来
中国の儒教経典「礼記」の「中庸」にある「厚往而薄来、所以懐諸侯也(往くを厚くして来るを薄くするは、諸侯を懐けるゆえんである)」に基づく。「礼記」は戦国時代から前漢期、概ね紀元前3~1世紀にかけて成立・編纂されたとされる。もとは諸侯を懐柔するため、贈与は厚く、受ける貢納などは控えめにするという外交上の原則を述べた語。
備考
主に贈答・外交・対人関係について用いる文章語的な表現。「相手から厚く受けて薄く返す」という意味ではなく、自分が厚く与え、受け取る分は控えめにする意である。
誤用・混同注意
- 「相手から厚い贈り物を受け、薄く返礼すること」と解するのは誤り。自分からは厚く与え、相手から受けるものは控えめにするという意味。
- 「往」と「来」を単なる訪問の行き帰りと解し、「行きは厚く帰りは薄く」とするのは誤り。ここでは主に贈与・受領の関係を表す。
例文
- 彼は後進への支援を惜しまず、自分への謝礼は辞退するという厚往薄来の人柄で知られている。
- 長く取引先の信頼を得るには、目先の利益だけを求めず、厚往薄来の姿勢も必要だ。
- 姉妹都市との交流では厚往薄来を心がけ、訪問団を手厚くもてなしながら、過分な返礼は求めなかった。
分類
類義語
対義語
- 薄往厚来
- 利己主義