十悪五逆
読み方:じゅうあく ごぎゃく
意味
仏教で、最も重い悪業・罪をまとめていう語。「十悪」は殺生・盗み・邪淫・うそ・悪口・貪り・怒り・誤った見解など十種の悪行、「五逆」は父母を殺す、阿羅漢を殺す、仏の身を傷つける、僧団を乱すという特に重い五つの罪を指す。転じて、きわめて悪質な行為のたとえにもいう。
由来
仏教語。「十悪」は十不善業、「五逆」は五無間業に由来する。インド仏教で成立した罪業観が中国へ伝わり、南朝宋代(5世紀前半、424~442年頃に漢訳されたとされる)の仏典『観無量寿経』には「五逆十悪」という形で見える。日本では「十悪五逆」ともいわれ、十種の悪行と五種の極重罪を併せて表す語として定着した。
備考
本来は仏教の教義に基づく重い罪の分類であり、単なる「とても悪いこと」という意味で軽々しく用いる語ではない。現代では主に文章語・比喩として使われる。
別表記
- 十惡五逆
誤用・混同注意
- 「十悪五虐」は誤りで、正しくは「十悪五逆」。
- 「五逆」を「ごやく」と読まない。正しくは「ごぎゃく」。
- 十悪と五逆を同一の十五種の罪と誤解しない。十悪は十種の悪行、五逆は特に重い五種の罪を指す。
例文
- 仏教説話では、十悪五逆の罪を犯した者であっても、深い懺悔と救済を求める心が説かれることがある。
- 人の命を踏みにじるような行いは、十悪五逆にも等しい非道さだと非難された。
- この語を用いる際は、十悪五逆が本来は仏教における厳密な罪業の分類であることを理解しておきたい。
分類
類義語
対義語
- 十善業道
- 五戒十善