匹夫匹婦
読み方:ひっぷ ひっぷ
意味
身分や権力をもたない、ごく普通の一人の男と一人の女、転じて一般の民衆をいう。古くは「取るに足りない者」「身分の低い者」という含みを伴うこともあるが、文脈によっては広く庶民一般を指す。
由来
中国古典『孟子』に見られる語。戦国時代(紀元前4~3世紀ごろ)の思想家・孟子の言葉で、堯・舜の恩沢が一人の「匹夫匹婦」にまで及ばないことを、自分がその人を苦境へ追い込んだかのように憂えるという文脈で用いられた。「匹夫」は一人の平民男性、「匹婦」は一人の平民女性を表す。
備考
現代では日常会話よりも、評論・歴史叙述・政治的文章で用いられる硬い語。「取るに足りない人」という古い語感があり、現代人に直接使うと見下した響きになる場合がある。夫婦そのものを指す語ではない。
誤用・混同注意
- 「匹夫匹婦」は夫婦一組だけを指す語ではなく、一般の男女・庶民を表す。
- 現代の一般人に対して用いると、文脈によっては「身分の低い者」と見下す表現に受け取られることがある。
例文
- 政治に携わる者は、匹夫匹婦の暮らしにまで目を配らなければならない。
- この改革は、都市の有力者だけでなく、地方の匹夫匹婦にも教育の機会を広げた。
- 彼は自らを匹夫匹婦の一人にすぎないと語り、地域住民の声を行政へ届けた。
分類
類義語
- 庶民
- 一般市民
- 凡夫俗子
- 市井の人
対義語
- 王侯貴族
- 王侯将相
- 貴顕