兼聴則明
読み方
けんちょう そくめい意味
多くの人の意見や情報を偏りなく聞けば、物事の実情を正しく見極められ、判断が明らかになるという意味。「兼聴」は広く複数の意見を聞くこと、「則明」はそうすれば明察できることをいう。対句の「偏信則暗(へんしんそくあん)」とともに用いられることが多い。由来
中国・唐代の政治書『貞観政要(じょうがんせいよう)』に見える語。唐の太宗が君主はどうすれば賢明になり、どうすれば判断を誤るかを魏徴に尋ねた際、魏徴が「兼聴則明、偏信則暗」と答えたとされる。内容は太宗の治世である貞観年間(627~649年)の故事に基づき、『貞観政要』自体は開元年間ごろ、8世紀前半(およそ730年ごろ)に編纂された。備考
主に政治・組織運営・意思決定について、複数の意見を聞く重要性を説く際に用いる。単に多数決を勧める語ではなく、偏見を避けて情報を比較・吟味する姿勢を表す。対句の「偏信則暗」とセットで引用されることが多い。例文
- 重要な方針を決める際は、兼聴則明の姿勢で現場の社員、顧客、専門家の意見を広く聞くべきだ。
- 一人の報告だけを信じて結論を急ぐのではなく、兼聴則明を心掛けて複数の資料を確認した。
- 市政には、賛成派と反対派の双方に耳を傾ける兼聴則明の態度が求められる。
類義語
- 虚心坦懐
- 広く意見を聞く
- 多聞闕疑
対義語
- 偏信則暗
- 独断専行
- 偏見固執