入我我入
読み方:にゅうが がにゅう
意味
密教で、仏が修行者の身心に入り(入我)、修行者が仏の境地に入る(我入)という、仏と行者が相互に結び付き一体となることをいう。手に印を結び、口に真言を唱え、心に仏を観ずる三密の修行によって、この境地に至るとされる。
由来
インド後期密教に由来し、唐代に体系化された密教の「三密加持」の思想を表す語である。日本には平安時代初期(9世紀)に真言密教とともに伝わり、空海(774~835)の著作『即身成仏義』にも、仏と行者が相互に加持し合う関係として説かれている。
備考
主に真言密教で用いられる専門的な仏教語である。「入我」は仏が行者に入ること、「我入」は行者が仏に入ることを指す。日常会話で比喩的に用いる語ではない。
誤用・混同注意
- 「入我」を行者が仏に入ること、「我入」を仏が行者に入ることとするのは逆である。
例文
- 真言密教では、印を結び真言を唱える修法を通じて、仏と一体となる入我我入を体得すると考える。
- 講義では、入我我入とは単に自己を失うことではなく、仏の智慧と慈悲に身心を開くことだと説明された。
- この作法は、三密加持によって入我我入の境地へ近づくことを重視している。