作舎道傍
読み方:さくしゃ どうぼう
意味
道ばたで家を建てようとすると、通行人がそれぞれ勝手な意見を述べるため、方針が定まらず完成しない、というたとえ。多くの人の意見に振り回されて決断できず、物事が進まないことをいう。
由来
中国・後漢(1世紀後半)の故事に基づく。『後漢書』曹褒伝で、章帝が礼制を定める議論について「作舍道傍、三年不成(道ばたで家を造れば、三年たっても完成しない)」ということわざを引いた。道行く人が皆それぞれ異なる注文を付けるため、工事が進まないという意味から生じた。なお、『後漢書』の成立は5世紀である。
備考
多様な意見を聞く行為そのものを非難する語ではなく、意見を整理・決定できないために事業が停滞する状況をいう。やや硬い文章語で、組織運営や会議の文脈で用いられる。
別表記
- 作舍道傍
誤用・混同注意
- 「作舎道旁」とする表記も見られるが、一般的な四字熟語表記は「作舎道傍」である。
- 単に「多くの意見が出ること」の意味ではなく、多数の意見で方針が定まらず進行しないことを指す。
例文
- 新制度の案を誰の意見にも合わせようとしたため、作舎道傍となって実施日を決められなかった。
- 意見を広く聞くことは必要だが、最終判断者がいなければ作舎道傍に陥りかねない。
- 企画を作舎道傍にしないよう、議論の期限と決裁者をあらかじめ定めておいた。