余音繞梁
読み方
よいん りょうを めぐる
意味
美しい歌声や音楽の響きが消えずに長く残り、まるで建物の梁(はり)の周囲を巡っているかのように感じられること。転じて、優れた歌唱・演奏が深い余韻を残すことをいう。
由来
中国古典『列子』の「湯問」篇に見える故事に基づく。斉の国を通った歌い手・韓娥が歌った後、その美しい声の余音が梁を三日間も巡り、人々には彼女がまだそこにいるように思われたという「余音繞梁、三日不絶」の記述から生まれた。『列子』は戦国時代の列禦寇の作と伝わるが、現存本はおおむね魏晋時代(3~4世紀頃)に成立したと考えられている。
分類・構成
備考
主に美しい歌声や演奏の余韻をほめる、文章語的で格調高い表現である。「余音梁を繞る」と訓読して用いる。日常会話では「余韻が残る」と言うほうが自然な場合が多い。
誤用・混同注意
- 「繞」を同音の「繚」と書く「余音繚梁」は誤り。
- 「余韻繞梁」とするのは原形の「余音繞梁」とは異なる表記であり、一般には原形を用いる。
例文
- 彼女の独唱は余音繞梁で、演奏が終わった後もしばらく会場は静かな感動に包まれていた。
- 古いホールの響きも手伝って、そのテノール歌手の声はまさに余音繞梁であった。
- 名演を聴いた夜は、余音繞梁の趣があり、帰宅してからも旋律が耳を離れなかった。
類義語
- 余韻嫋嫋
- 響遏行雲
- 遏雲之声
対義語
- 無声無息