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以羊易牛

読み方:いよう えきぎゅう

意味

羊を用いて牛と取り替えること。目の前で犠牲になる牛だけを哀れんで羊に替え、羊の犠牲には気づかない故事から、表面に現れた一方だけに同情・配慮し、他方を見落とすことをいう。転じて、問題を別の対象へ付け替えるだけで根本的な解決になっていない対応を批判する場合にも用いる。

由来

『孟子』梁恵王上に見える故事。戦国時代(紀元前4世紀ごろ)、斉の宣王が鐘を清める儀式で犠牲にされる牛の怯える姿を見て哀れみ、牛の代わりに羊を用いるよう命じた。孟子は、王に慈悲の心がないのではなく、「牛を見て羊を見ない」ためだと説明した。この「羊を以て牛に易う」という句が成語化した。

備考

現在では日常会話よりも、文章語・評論的な文脈で用いられることが多い。単なる「牛より羊のほうが安い」という損得や節約の意味ではない。

誤用・混同注意

  • 「易」は「やすい」ではなく、音読みで「えき」と読む。
  • 牛を羊という安価な代用品に替える合理的な節約の意味だと解するのは誤りである。

例文

  • 動物実験を減らすとして別の動物へ負担を移すだけでは、以羊易牛との批判を免れない。
  • 目の前で訴える利用者だけを救済し、声を上げられない人々を顧みない対応は、以羊易牛になりかねない。
  • 問題の原因を改めず、負担を別の弱者へ付け替える政策を、識者は以羊易牛だと評した。

分類

類義語

対義語

この四字熟語に使われている漢字