以戒為師
読み方:いかい いし
意味
仏が入滅した後、弟子たちは戒律を自分の師として仰ぎ、それに従って修行・行動すべきだという教え。転じて、指導者がいない場合にも、定められた規範や倫理を拠り所として自律することをいう。
由来
釈迦が入滅に際して弟子たちに残した遺誡に由来する。伝承上は釈迦の時代、紀元前5世紀ごろの教えとされる。中国語訳の仏典『仏遺教経』(後秦の鳩摩羅什訳、5世紀初頭)に、釈迦の死後は戒律を大師として尊重すべきであるという趣旨が説かれており、そこから「戒をもって師とする」の意で成立した。
備考
主に仏教・禅宗などの文脈で用いられる語。日常会話ではまれである。「以」は「もって」と読み、「戒を師とする」の意であり、「戒める師」という意味ではない。
誤用・混同注意
- 「いかいし」ではなく、通常は「いかいいし」と読む。
- 「戒める師」の意味ではなく、「戒律を師として仰ぐ」という意味である。
例文
- 僧たちは、師僧が亡くなった後も以戒為師の教えに従い、戒律を守って修行を続けた。
- この寺では以戒為師を基本方針とし、外から監督されなくても各自が行いを慎んでいる。
- 以戒為師という考え方は、規則を単なる拘束ではなく、自らを導く師として受け止める姿勢を示す。
分類
類義語
- 戒律遵守
- 持戒
- 戒律を師とする