人心険悪
読み方:じんしん けんあく
意味
世の中の人々の心が荒み、よこしまな考えや悪意を抱きやすくなっていること。また、人の心は油断できず、恐ろしいほど悪意に満ちているということ。社会の道徳や人情が衰えている状態をいう。
由来
中国語の「人心險惡(人心険悪)」に由来する漢語的な表現で、人の心が険しく悪い、すなわち悪意やたくらみに満ちているという意味で用いられる。特定の一つの中国古典の句を直接の典拠とすることは確認しにくく、成立時期は明確ではない。日本語では漢文調・文章語として定着した。
備考
日常会話ではあまり用いない硬い文章語。「険悪な関係」のような対立・緊張の意味よりも、人々の心が悪意や不信に傾いているという意味合いが強い。
誤用・混同注意
- 「人心不安」と混同しない。「人心不安」は人々が不安を抱くことであり、「人心険悪」は人々の心が荒み悪意に傾くこと。
- 「険悪」を単に人間関係の不和という意味だけに解しない。この語では人心のよこしまさ・危うさを表す。
例文
- 詐欺事件が相次ぐと、人心険悪な世の中になったと嘆く人もいる。
- 戦乱が長引き、人心険悪となった町では、隣人どうしでさえ気軽に信用できなかった。
- 作者は、人心険悪な社会にあっても他者を信じようとする主人公を描いた。
分類
類義語
対義語
- 人心淳厚
- 人心和楽
- 人心安定