井渫不食
読み方:せいせつ ふしょく
意味
井戸をきれいにさらって水が使えるようになっているのに、だれにも飲まれない意から、才能や徳を備えた人物が世に認められず、その能力を用いる機会がないことをいう。
由来
中国古典の「易経」井卦(せいか)の九三にある「井渫不食、為我心惻(井渫して食せず、我が心を惻ましむ)」に基づく。井戸の底をさらって清くしたのに人がその水を飲まない情景を、優れた人物が用いられないことにたとえたもの。『易経』の卦辞・爻辞はおおむね中国の西周時代から戦国時代(紀元前11世紀~前3世紀頃)にかけて成立したとされる。
備考
主に才能・人格を備えながら登用されない人についていう文章語。「渫」は井戸の底をさらって清める意であり、井戸が汚れていて飲めないという意味ではない。
誤用・混同注意
- 「渫」は「せつ」と読む。井戸をさらう・清める意であり、「井戸の水が汚くて飲めない」という意味に解するのは誤り。
- 「井浚不食」などと「渫」を別の字に書き換えるのは一般的ではない。
例文
- 彼は高度な専門知識を持ちながら部署で仕事を任されず、井渫不食の境遇にあった。
- 優秀な人材を採用しても活躍の場を与えなければ、井渫不食にしてしまう。
- その研究者は長く井渫不食だったが、新しい指導者に見いだされて成果を発揮した。
分類
類義語
対義語
- 適材適所
- 抜擢登用