五相成身
読み方:ごそう じょうじん
意味
密教で、修行者が五つの段階を経て仏の身を成就し、仏となること。また、その成仏に至る五段階の修行・観法をいう。五相は通常、通達菩提心・修菩提心・成金剛心・証金剛身・仏身円満を指す。
由来
真言密教をはじめとする密教の教説で、『金剛頂経』系の経典・儀軌に基づく語である。原典に当たる金剛頂経系の密教文献は、概ね7~8世紀頃のインドで形成され、中国唐代に体系化・受容された後、日本には平安時代初期に空海らによって伝えられた。五つの観想・修行の過程によって仏身を成就するという教理を表す。
備考
日常会話で比喩的に使う語ではなく、主に真言宗などの密教教学・仏教美術・儀礼の文脈で用いられる専門用語。「五相成身観」は、その五段階を観想する具体的な修法を指す。
誤用・混同注意
- 読みを「ごそうじょうしん」とするのは誤りで、一般に「ごそうじょうじん」と読む。
- 「五相成仏」と混同しない。「五相成身」は五つの段階を経て仏身を成就するという密教の術語である。
- 「五相成身」と「五相成身観」は同義ではない。後者は五相成身に至るための観想・修法を指す。
例文
- 真言密教では、五相成身の観法を通して即身成仏の理を観じる。
- 講義では、通達菩提心から仏身円満へ至る五相成身の段階が解説された。
- この曼荼羅の儀礼は、修行者が五相成身を観想するための重要な作法である。
分類
類義語
- 即身成仏
- 五相成身観