五性各別
読み方:ごしょう かくべつ
意味
仏教、特に法相宗で、衆生には生まれつき異なる五種の「種性」があり、悟りに至る可能性や到達する境地は一律ではないとする教え。五種とは、菩薩・独覚・声聞の定性、不定性、仏果に至る種性をもたない無性をいう。
由来
インド仏教の瑜伽行派における「五種姓(ごしゅしょう)」の思想を基礎とする。玄奘が唐の顕慶4年(659年)に訳出・編纂した『成唯識論』などで体系的に説かれ、中国を経て日本の法相宗に伝わった。「性」および「姓」は、悟りに関する生得的な資質・種性を意味する。
備考
法相宗の五性説を指す専門語である。天台宗などが説く「一切衆生悉有仏性」と対照的に語られる。日常的な性格分類や、人の優劣を表す語としては用いない。
別表記
- 五姓各別
例文
- 法相宗は、衆生の悟りの可能性について五性各別の立場を採った。
- 五性各別の思想は、すべての人に仏性があるとする悉有仏性の説と対比して論じられる。
- 仏教思想史の授業で、五性各別と一乗思想の違いを学んだ。
分類
類義語
- 五種性説
対義語
- 悉有仏性
- 一切皆成