悉有仏性
読み方:しつう ぶっしょう
意味
あらゆる衆生、すなわち人間や生き物を含むすべての存在には、仏となる可能性・本質である「仏性」が備わっているという仏教の教え。転じて、すべてのものに尊い価値や成長の可能性を認める考え方をいう。
由来
仏典『大般涅槃経』にある「一切衆生悉有仏性(いっさいしゅじょう しつう ぶっしょう)」に基づく語で、その後半を四字熟語として用いたもの。中国・北涼の曇無讖(どんむしん)が漢訳した『大般涅槃経』は、おおむね421~430年ごろに成立したとされる。日本では、道元が鎌倉時代(13世紀)に『正法眼蔵』「仏性」巻で重視したことでも知られる。
備考
本来は「一切衆生悉有仏性」という句の一部。宗派や解釈によって、仏性を「成仏の可能性」とみるか、「存在そのものの真実相」とみるかに違いがある。
別表記
- 悉有佛性
誤用・混同注意
- 読みを「しつゆうぶっしょう」としない。一般に「しつうぶっしょう」と読む。
- 「仏性」を「ぶっせい」と読まない。四字熟語としては通常「ぶっしょう」と読む。
- 「すべての人はすでに仏である」という意味に限定するのは不正確で、基本的には仏となる根拠・可能性である仏性を有するという教えを指す。
例文
- 道元は、悉有仏性の教えを通して、すべての存在を固定的に見ない姿勢を示した。
- 悉有仏性という考え方に立てば、他者の中にも仏となる可能性を見いだすことができる。
- 住職は法話で、草木を含む自然にも仏性を認める悉有仏性の思想について説明した。
分類
類義語
- 一切衆生悉有仏性
- 一切衆生皆有仏性
- 仏性平等