五分法身
読み方:ごぶん ほっしん
意味
仏の悟りの本質である法身を、戒(規律を守ること)・定(心を集中し安定させること)・慧(真理を見抜く知恵)・解脱(迷いからの自由)・解脱知見(解脱したことを自覚する智慧)の五つの徳に分けていう語。転じて、仏道修行の完成に必要な五つの要素を指す。
由来
インド仏教に由来する仏教語で、戒・定・慧・解脱・解脱知見という五つの「身(徳・要素)」の教説を基礎とする。これらは『雑阿含経』などの初期仏教経典に説かれ、現存する漢訳『雑阿含経』は5世紀前半(435~443年)に訳出された。「五分法身」というまとまった呼称の正確な成立時期は特定しにくい。
備考
一般の日常会話で用いる四字熟語ではなく、主に仏教の教義・法話・仏教美術や香の説明で使われる専門語である。「五分」は時間や割合ではなく、五つの構成要素の意。
誤用・混同注意
- 「五分」の「分」を時間の五分や割合の五分と解するのは誤りで、法身を構成する五つの要素をいう。
- 関連語の「五分法身香」と混同して、語末に「香」を付けないよう注意する。
例文
- 仏教では、戒・定・慧・解脱・解脱知見を五分法身として重んじる。
- 僧は五分法身を具えることを理想として、日々戒律と禅定の修行に励んだ。
- この法話は、五分法身のうち、とりわけ慧と解脱知見の関係を解説している。