久遠実成
読み方:くおん じつじょう
意味
仏が、この世に生まれて初めて悟りを開いたのではなく、はるか遠い過去(久遠)にすでに仏となっていた、という法華経の思想。特に釈迦牟尼仏の悟りと救済が永遠であることを表す。
由来
仏教語。『法華経』「如来寿量品」にある、釈迦が「我実に仏と成りてより已来、無量無辺百千万億那由他劫なり」と説く内容に基づく。「久遠」は計り知れない遠い過去、「実成」は実際に仏となったことをいう。法華経はおおむね1~2世紀ごろに成立し、鳩摩羅什による漢訳は406年である。
備考
主に法華経系・天台宗・日蓮系の仏教思想で重要な語。日常会話で用いる四字熟語ではなく、宗教・思想の文脈で使われる。
別表記
- 久遠實成
補足
- 「久遠実生」と書くのは誤り。正しくは「久遠実成」。
- 釈迦が現世で初めて悟ったとする「始成正覚」と混同しない。
例文
- 日蓮教学では、久遠実成の釈迦牟尼仏を根本の仏として重視する。
- 如来寿量品は、釈迦が久遠実成であることを明かした経文として知られる。
- この解釈は、仏が久遠実成であるからこそ、衆生を長く導き続けるという考え方に立つ。
分類
類義語
- 久遠成道
- 久遠本仏
対義語
- 始成正覚