不食周粟
読み方
ふしょく しゅうぞく
意味
周王朝の穀物を食べることを拒む意から、信念・節義を守るために、新しい政権や権力者に仕えることを拒絶すること。転じて、たとえ困窮しても自分の信条を曲げない、きわめて強い節操をいう。
由来
中国の故事に基づく。殷が周に滅ぼされた後、殷の遺臣とされる伯夷・叔斉は、武王が臣下の身で君主を討ったことを恥じ、「周の粟を食べる義はない」として首陽山に隠れ、ワラビを採って食べたという。司馬遷が前漢時代の紀元前91年頃に完成させた『史記』の「伯夷列伝」に見える。
分類・構成
備考
伯夷・叔斉の故事を踏まえた、節操や忠義を重んじる表現。現代では日常会話より文章語・教養語として用いられる。単なる偏屈さではなく、信念のために利益を拒む姿勢を表す。
誤用・混同注意
- 「周粟」を「周禄」と書くのは誤り。「粟」は穀物・あわを意味する。
- 読みを「ふじきしゅうぞく」としない。標準的な読みは「ふしょくしゅうぞく」。
例文
- 彼は不正な政権からの援助を断り、不食周粟の覚悟で独立した活動を続けた。
- 不食周粟というほどの信念を貫くには、生活上の大きな犠牲を伴うこともある。
- 恩師は、不食周粟の節を守った伯夷・叔斉の故事を引き、権力への安易な迎合を戒めた。
類義語
- 首陽采薇
- 節操堅固
- 孤忠不抜
対義語
- 朝秦暮楚
- 変節
- 権勢への迎合