不来不去
読み方:ふらい ふこ
意味
仏教で、あらゆる存在や現象には固定した実体がないため、どこから来てどこへ去るという独立不変のあり方はない、という意味。生じること・消えることや、来ること・去ることへの執着を離れた、縁起・空の思想を表す。
由来
インドの僧・龍樹(ナーガールジュナ)の中観思想に基づく仏教語。鳩摩羅什が後秦の弘始11年(409年)頃に漢訳したとされる『中論』冒頭の偈にある「不来亦不出」を基礎とする。「不生不滅・不常不断・不一不異・不来不去」という八不(八不中道)の一つとして、日本でも用いられるようになった。
備考
日常会話で使う語ではなく、主に仏教・哲学の文脈で用いる。「来ない、去らない」という物理的な静止を表すのではない。八不中道を構成する一対である。
別表記
- 不來不去
補足
- 「来ない・去らない」という物理的な静止を表す語だと解するのは不正確で、縁起・空にもとづき固定的な実体を認めない思想を表す。
- 「ふらいふきょ」ではなく、一般に「ふらいふこ」と読む。
例文
- 『中論』では、諸法は縁起によって成り立つため、不来不去であると説かれる。
- 僧侶は法話で不来不去の教えに触れ、出会いと別れに過度に執着しないよう説いた。
- 講師は、不来不去を単に「何も動かない」という意味ではなく、物事を実体視しない考え方だと説明した。
分類
類義語
- 無来無去
- 不生不滅