不増不減
読み方:ふぞう ふげん
意味
物事の本質、特に仏教でいう「空」の真理は、増えることも減ることもないということ。現象としては生滅・増減があるように見えても、すべての存在は固定した実体をもたないため、その本性は増減を超えているとする教え。転じて、価値や本質が変わらないことにもいう。
由来
仏教経典『般若心経』の「不生不滅、不垢不浄、不増不減」に基づく語である。『般若心経』はインドで成立した般若経典をもとにし、現行の漢訳は唐代の僧・玄奘が649年頃に訳出したものとされる。「空」の立場から、諸法の本性には生滅や増減といった固定的な差別がないことを説く。
備考
本来は仏教、とりわけ「空」の思想を表す語であり、単に数量が増えも減りもしないという意味に限らない。日常では「本質が変わらない」の意で比喩的に使われることがある。
誤用・混同注意
- 単に「数量が変化しない」という意味だけに限定して理解するのは不十分で、本来は諸法の本性が増減を超えるという仏教思想を表す。
- 「不増不滅」とするのは誤り。正しくは「不増不減」である。
例文
- 『般若心経』では、諸法の本性は不増不減であると説かれている。
- 流行によって評価は上下しても、その作品が持つ本質的な魅力は不増不減だと私は思う。
- 売上の数字だけでなく、不増不減の信念を守って事業に取り組むことが大切だ。
分類
類義語
対義語
- 有為転変
- 増減変化