不一不異
読み方:ふいつふい
意味
仏教語で、二つのものの関係が「まったく一つである」とも「完全に別のものである」とも断定できないこと。対立的な二分法を超えた関係をいう。とくに、真如と現象、生死と涅槃などの関係を説明する際に用いられる。
由来
インドの僧・龍樹(ナーガールジュナ、2~3世紀ごろ)の中観思想を説く論書『中論』に由来する。鳩摩羅什が409年ごろに漢訳した本文の「不生亦不滅、不常亦不断、不一亦不異、不来亦不出」という八不中道の一節に基づく。日本では「不一不異」の四字で定着した。
備考
日常会話で用いる語ではなく、仏教哲学・思想史で使われる専門的な表現である。「非一非異」とも書く。単に「あいまい」という意味ではない。
別表記
- 非一非異
補足
- 「不一不二」と混同しない。「不一不二」は一でも二でもないことをいう別の仏教語である。
- 「ふいちふい」と読まない。標準的な読みは「ふいつふい」。
例文
- 講師は、真如と現象世界とは不一不異の関係にあると説明した。
- この思想では、心と身体を単純に同一とも別物ともせず、不一不異として捉える。
- 二人の立場は不一不異であり、共通する部分をもちながら完全に同じではない。
分類
類義語
- 不即不離
- 不二