三豕渡河
読み方
さんしとか
意味
文字の形が似ているために起こる書き誤り・読み誤り、またはその誤りを指す語。「三」と「己」、「豕」と「亥」が字形の似た文字として取り違えられた故事に基づく。転じて、記録や伝達の際に生じる誤植・誤記のたとえとして用いる。
由来
中国の戦国時代末ごろ(紀元前3世紀ごろ)に成立した『呂氏春秋』の「察伝」に見える故事による。子夏が衛で、史書を読む者の「晋師三豕渉河(晋の軍が三匹の豚を連れて河を渡った)」という記述を聞き、「三豕」ではなく年号の「己亥」であると正したという。字形の似た「三・己」「豕・亥」の取り違えから、誤写・誤読をいうようになった。
備考
主に漢文・古典や校正の文脈で用いられる硬い表現。「さんしとか」と読む。「三豕渉河」とも表記するが、一般には「三豕渡河」が四字熟語として定着している。
例文
- 古文書の「己亥」を「三豕」と読んでしまうのは、まさに三豕渡河の例である。
- 原稿を校正せずに公開すると、三豕渡河のような誤記が残るおそれがある。
- この地名の食い違いは、筆写の過程で生じた三豕渡河ではないかと研究者は考えた。
類義語
- 魯魚亥豕
- 烏焉魯魚
- 誤字脱字
対義語
- 正確無誤
- 一字不差