三毒五欲
読み方:さんどく ごよく
意味
仏教でいう、人を迷わせ苦しみに導くさまざまな欲望・煩悩のこと。「三毒」は貪欲(むさぼり)、瞋恚(怒り・憎しみ)、愚痴(真理に暗いこと)をいい、「五欲」は財・色・飲食・名誉・睡眠などに対する欲をいう。転じて、強い欲望や俗世的な執着全般を指す。
由来
仏教語。「三毒」は古代インド仏教で説かれた貪・瞋・癡(とん・じん・ち)の三つの根本的煩悩に由来し、「五欲」も感覚的・世俗的な欲望を分類した仏教思想に由来する。仏教の成立は紀元前5~4世紀頃のインドとされるが、「三毒五欲」という四字のまとまった表現の成立時期や単一の典拠は明確ではない。
備考
主に仏教・宗教的な文脈で用いる語。五欲の内容には複数の分類があり、日本では一般に「財・色・飲食・名誉・睡眠」の五つで説明されることが多い。日常会話ではやや硬い表現。
別表記
- 三毒五慾
誤用・混同注意
- 「三毒」は「貪・瞋・癡」を指す。「愚痴」は日常語の不平・ぼやきだけを意味する語ではなく、仏教では真理に無知であることをいう。
- 「五欲」の内訳は文献・宗派によって分類が異なるため、五つを一種類の固定した内容だけと断定しない。
例文
- 僧は三毒五欲にとらわれず、少欲知足の生活を心がけた。
- 利益だけを追い求める姿勢は、三毒五欲に振り回されているようにも見える。
- 三毒五欲を完全に断つことは難しいが、自らの執着を自覚することはできる。
分類
類義語
- 煩悩
- 煩悩妄想
- 七情六欲