三乗真実
読み方:さんじょう しんじつ
意味
法相宗などで、声聞乗・縁覚乗・菩薩乗という三つの教え・悟りへの道(三乗)は、いずれも仮の方便ではなく、それぞれ真実の教えであるとする教義。すべての人を最終的に一仏乗へ導くとする「一乗真実・三乗方便」の立場と対比される。
由来
「三乗」は声聞乗・縁覚乗・菩薩乗の三種の仏道を、「真実」は仮の教えではなく究極的に真実であることをいう。インド大乗仏教の唯識系経典『解深密経』(3~4世紀頃に成立したとされる)などを理論的基盤とする中国法相宗の教説が、日本の法相宗にも伝わり、教義を要約する語として定着した。四字熟語としての厳密な初出年は不詳。
備考
「乗」は衆生を悟りへ運ぶ教え・修行の乗り物を意味する。日常語ではなく、主に仏教教学・仏教史で用いる専門語である。天台・法華系の「一乗真実、三乗方便」と対比して理解される。
誤用・混同注意
- 「三乗」を「さんじゅう」と読むのは誤りで、通常は「さんじょう」と読む。
- 天台・法華系の教説である「一乗真実・三乗方便」と取り違えない。
例文
- 法相宗では、声聞・縁覚・菩薩の三乗をそれぞれ実在の教えとみる三乗真実を説く。
- 授業では、三乗真実と一乗真実の違いを、各宗派の教判と関連づけて学んだ。
- この論文は、奈良仏教における三乗真実の受容を中心に考察している。
分類
類義語
- 三乗実教
対義語
- 一乗真実
- 三乗方便