一言喪邦
読み方:いちげん そうほう
意味
たった一言の発言が原因となって、国を滅ぼしたり国家を危うくしたりすること。特に、君主・政治家・組織の指導者など、影響力の大きい者の軽率な発言には重大な責任が伴うという戒めをいう。
由来
中国の古典『論語』の「子路」篇に基づく。春秋時代の孔子(紀元前6~5世紀ごろ)の言葉として、魯の定公が「一言で国を興すこと、一言で国を滅ぼすことはあるか」と尋ねた際の問答に「一言而喪邦」という表現が見える。『論語』自体は孔子没後、戦国時代ごろまでに弟子たちによって編纂されたとされる。
備考
主に為政者や指導者の発言の重さを説く語。対句的な表現である「一言興邦」は、一言によって国を興す意であり、対義語となる。日常会話よりも文章語・格調高い表現として用いられる。
誤用・混同注意
- 「一言葬邦」は誤り(正しくは「一言喪邦」)。
- 「一言興邦」と取り違えない。「一言興邦」は一言で国を興すことで、反対の意味。
例文
- 首相の不用意な外交発言は一言喪邦にもなりかねず、慎重な言葉選びが求められる。
- 指導者は、一言喪邦という故事を胸に刻み、公の場での発言に責任を持つべきだ。
- SNSでの短い投稿であっても企業の信頼を失うことがある。一言喪邦の戒めは現代にも通じる。
分類
類義語
- 失言
- 一言亡国