一大三千
読み方:いちだい さんぜん
意味
仏教の宇宙観における、きわめて広大な世界体系をいう。「一大三千世界」の略。須弥山を中心とする一つの世界を千集めて小千世界、小千世界を千集めて中千世界、中千世界を千集めた大千世界、すなわち全体で十億の世界から成ると説明される。転じて、非常に広大な全宇宙の意にもいう。
由来
古代インドで形成された仏教の宇宙論に由来する語で、漢訳仏典では「三千大千世界」として伝えられた。中国で仏典の漢訳が盛んになった4〜5世紀ごろには、この世界観を表す語が定着していた。「一大三千」は、日本で用いられる「一大三千世界」の略称である。特定の一書だけを出典とする故事成語ではない。
備考
主に仏教用語として用いる。「三千」は単純に三千個という意味ではなく、「千」を三段階重ねた世界体系を指す。日常会話ではあまり用いられず、宗教・思想・文学的な文脈に多い。
誤用・混同注意
- 「三千」を単に三千個の世界のことと解するのは不正確で、千世界を三段階に重ねた体系を表す。
- 「三千大千世界」とは語順が異なるが、いずれも仏教の広大な世界体系を表す関連語である。
例文
- 仏教の宇宙観では、一大三千は無数の世界から成る壮大な世界体系を指す。
- 講義では、一大三千という語を手がかりに、古代インドの宇宙観を学んだ。
- その絵巻の雄大な構図は、まるで一大三千の広がりを表しているようだった。
分類
類義語
- 一大三千世界
- 三千大千世界
- 大千世界