預言者郷里に容れられず
読み方:よげんしゃ は きょうり に いれられず
意味
優れた能力や新しい考えを持つ人でも、身近な故郷や昔からの知人の間では、その価値を正当に認められにくいというたとえ。人は相手をよく知っているつもりになるため、かえって新たな才能や権威を受け入れにくいことをいう。
由来
新約聖書の福音書にあるイエスの言葉に由来する。紀元1世紀ごろに成立した「マタイによる福音書」13章57節、「マルコによる福音書」6章4節、「ルカによる福音書」4章24節などで、預言者が故郷では受け入れられにくいことが述べられている。日本語ではこの趣旨を漢文調にした表現として定着した。
備考
「郷里」は故郷・地元、「容れる」は受け入れる意。本人の能力不足をいうのではなく、身近な人ほど価値を認めにくいという人間心理を表す。宗教的文脈以外でも用いる。
別表記
- 預言者故郷に容れられず
- 預言者は郷里に容れられず
- 預言者は故郷で尊ばれない
補足
- 「郷里の人は必ず才能ある人を排斥する」という絶対的な意味ではない。身近な関係ゆえに評価が遅れたり、受け入れられにくかったりすることをいう。
- 「容れられず」を『中に入れられない』という物理的な意味に取るのは誤り。ここでは『受け入れられない・認められない』の意。
例文
- 地元出身の研究者が海外で高く評価されてから、ようやく町でも注目された。預言者郷里に容れられず、とはこのことだ。
- 彼の新しい提案は社外では好評なのに、古くからの同僚には理解されない。預言者郷里に容れられずという面もあるだろう。
- 故郷では無名だった画家が都会で成功した例を見ると、預言者郷里に容れられずを思い出す。