酸いも甘いも嚙み分ける
読み方:すいも あまいも かみわける
意味
人生における楽しいこと・都合のよいことだけでなく、苦しいこと・つらいことも十分に経験し、世の中の事情や人の心をよく知っていること。経験を重ねていて、物事の裏表や善し悪しを的確に判断できる人についていう。
由来
酸味と甘味を実際に口にして、その違いをきちんと味わい分けることを、人生の苦楽や世間の事情を知り尽くすことにたとえた表現である。特定の著作や成立年は確認されておらず、由来の詳細は不明だが、日本で慣用的に定着した言い回しである。
備考
「酸い」は苦しさ・不快さ、「甘い」は楽しさ・好ましさの比喩。単に味覚が鋭いという意味ではなく、通常は人生経験や世間知に富む人を評して用いる。
別表記
- 酸いも甘いも噛み分ける
- 酸いも甘いも噛みわける
- 酸いも甘いもかみ分ける
- 酸いも甘いも咬み分ける
誤用・混同注意
- 食べ物の酸味と甘味を区別できるという文字どおりの意味だけで用いるのは不適切。通常は、人生の苦楽や世間の事情をよく知るという比喩的な意味で使う。
- 「酸いも甘いも噛みしめる」と混同しない。「噛みしめる」は苦楽をしみじみ味わう意で、「噛み分ける」は経験を通じて事情を見分ける意が中心。
例文
- 祖父は商売の成功も失敗も経験した、酸いも甘いも嚙み分ける人物だ。
- 彼女は若いが、海外生活で多くの苦労をしたため、酸いも甘いも嚙み分けている。
- 交渉相手は酸いも甘いも嚙み分けた経営者なので、表面的な説明だけでは通用しない。
分類
類義語
対義語
- 世間知らず
- 青二才
- 経験不足