親子三人食って寝て八百両
読み方:おやこ さんにん くって ねて はっぴゃくりょう
意味
親子を含む三人の家族が、食べて眠るという平穏な生活を送るには八百両もあれば十分だ、という意味。必要以上の富やぜいたくを求めず、家族が無事に暮らせることこそ幸福であるという考えを表す。「八百両」は大金のたとえ。
由来
江戸時代に成立・流行したとされる江戸いろはかるたの「お」の札の文句である。正確な作者・初出年は不明だが、江戸いろはかるたが広まった江戸後期(18世紀後半〜19世紀)には親しまれていたと考えられる。八百両という大金を挙げ、過度な欲望を戒めて質素で安穏な暮らしの価値を説いた表現である。
備考
現代では「八百両」を実際の必要額として用いる表現ではなく、生活に十分な大金・必要以上の富を求めない心をいう。江戸いろはかるたの札として知られる。
誤用・混同注意
- 「八百両」を現代の生活費に換算した正確な金額だと受け取るのは適切ではない。米価・賃金などで換算額が大きく変わる、あくまで大金のたとえである。
- 単に「八百両あれば金持ちになれる」という金銭礼賛の意味ではない。必要以上の欲を抑え、平穏な家族生活を尊ぶ趣旨である。
例文
- 多額の利益を前にしても、父は「親子三人食って寝て八百両というから、無理な投資はしなくていい」と言った。
- 昇進競争に疲れた彼は、親子三人食って寝て八百両の心で、家族との時間を大切にすることにした。
- 豪邸よりも毎日の食事と健康があればよい。親子三人食って寝て八百両という考え方にも一理ある。
分類
類義語
対義語
- 人の欲に底なし
- 欲に目がくらむ
対比・対照ことわざ
- 起きて半畳寝て一畳
- 足るを知る者は富む
- 人の欲に底なし