花に十日の紅なし、月に二十日の円なし
読み方:はな に とおか の くれない なし、つき に はつか の えん なし
意味
花の紅(美しさ)は十日も保たず、満月も長く丸いままではない、というたとえ。人の若さ・美貌・人気・権勢・繁栄など、盛りや栄華は永続せず、やがて衰え変化するという無常をいう。
由来
南北朝期ごろ、14世紀後半に成立した軍記物語『太平記』に見られる表現とされる。花の色と月の満ち欠けを対にした漢文調の言い回しで、世の栄華や美しさが長続きしないことを説く句として、後世にことわざ化した。
備考
「十日」「二十日」は、花の盛りや満月の円さが長続きしないことをいう数であり、厳密な日数を述べるものではない。美貌・若さ・人気・栄華のはかなさを語る際に用いる。
別表記
- 花に十日紅なし、月に二十日円なし
誤用・混同注意
- 「十日」を「じゅうにち」、「二十日」を「にじゅうにち」と読むのは、このことわざの慣用的な読みとしては誤り。正しくは「とおか」「はつか」。
- 花や月の字義だけを指す表現だと解するのは不十分。美貌・若さ・人気・権勢・繁栄などが永続しないことのたとえとして用いる。
例文
- 一時は爆発的な人気を集めた商品も、花に十日の紅なし、月に二十日の円なしで、数年後には姿を消していた。
- 栄華を誇った会社が業績不振に陥ったのを見て、祖父は「花に十日の紅なし、月に二十日の円なしだ」と静かに語った。
- 若さや容姿だけに頼るのではなく、花に十日の紅なし、月に二十日の円なしという心構えで、長く役立つ力を身につけたい。