神は人の敬いによりて威を増し、人は神の徳によりて運を添う
読み方:かみ は ひと の うやまい に よりて い を まし、ひと は かみ の とく に よりて うん を そう
意味
神は人々から敬われ信仰されることで、その威力・威厳を増す。一方、人は神の徳、すなわち神の恵みや加護によって幸運を得て運勢をよくする、という意味。神と人とは、敬意と加護によって互いに支え合う関係にあることをいう。
由来
『平家物語』巻第四「厳島御幸」に見える言葉。厳島神社を深く信仰した平清盛について述べる文脈で、「神は人の敬によりて威を増し、人は神の徳によりて運を添ふ」と記される。『平家物語』は鎌倉時代前期から中期、13世紀ごろに成立・形成されたとされる。
備考
神道の教義を厳密に定式化した文というより、『平家物語』に見える信仰観・神人関係を表す文句である。現代では引用するとやや古風で格調高い表現になる。
別表記
- 神は人の敬によりて威を増し、人は神の徳によりて運を添ふ
- 神は人の敬いによって威を増し、人は神の徳によって運を添う
誤用・混同注意
- 「人は神の徳によりて運を添う」を、人が神の運に加わるという意味に解するのは誤り。神の徳・加護によって、人の運が助けられ増すという意味である。
例文
- 地域の人々が祭礼を守り続ける姿を見て、宮司は「神は人の敬いによりて威を増し、人は神の徳によりて運を添う」という言葉を紹介した。
- 祖父は毎朝仏壇に手を合わせ、神仏を敬う心の大切さを、この「神は人の敬いによりて威を増し、人は神の徳によりて運を添う」という教えで説いた。
- この句は、単なる願掛けではなく、人が敬意をもって信仰を続けることと、神の加護を願うこととの結び付きを表している。
分類
類義語
- 敬神崇祖
- 神仏の加護
- 神仏を敬う