神の罰より人の罰
読み方:かみの ばつより ひとの ばつ
意味
神仏による目に見えない罰よりも、法律上の処罰、共同体からの制裁、世間の非難など、人間から直ちに受ける罰のほうが現実的で恐ろしい、という意味。人の目や社会的な制裁の強さをいう。
由来
初出の文献や正確な成立時期は明らかではない。江戸時代に広まった上方いろはかるたの「か」の札として知られており、少なくとも江戸時代にはことわざとして流布していたと考えられる。神罰のように見えにくいものより、役人・村・世間などから受ける現実の処罰を恐れる民間感覚を表した語である。
備考
「神の罰より人の罰が恐ろしい」の「恐ろしい」が省略された形。神罰を軽視する趣旨ではなく、人間社会による処罰や非難が具体的で直ちに及びやすいことをいう。
別表記
- 神の罰より人の罰が恐ろしい
誤用・混同注意
- 「神の罰のほうが人の罰より恐ろしい」という意味に取るのは誤り。省略されている述語は「人の罰(のほう)が恐ろしい」である。
- 人による私的制裁や過酷な処罰を肯定することわざではない。社会的・現実的な処罰への恐れを述べた表現である。
例文
- 不正が発覚した彼は、天罰よりも処分と信用の失墜を恐れ、「神の罰より人の罰だ」と漏らした。
- 共同体の規律が厳しかった時代には、村八分のような制裁を念頭に「神の罰より人の罰」と言われた。
- 法令違反を戒める場面で、神の罰より人の罰という現実的な恐れが抑止力になることもある。
分類
類義語
- 人の口に戸は立てられぬ
- 世間の口に戸は立てられぬ
対義語
- 人の目より神の目が恐ろしい
- 天網恢恢疎にして漏らさず
対比・対照ことわざ
- 人の目より神の目が恐ろしい