石を射て羽を飲む
読み方:いしを いて はを のむ
意味
一心に力を集中して事に当たれば、通常は不可能と思われることでも成し遂げられるというたとえ。強い決意や必死の努力が、思いがけない力を生むことをいう。
由来
中国・前漢の韓嬰が編んだとされる『韓詩外伝』(紀元前2世紀ごろ)に見える故事に由来する。楚の熊渠子が夜、伏せた虎だと思って石を射たところ、矢が羽の部分まで石に刺さったという。石が矢の羽を「飲んだ」ように見えたことからいう。類似の話は『史記』の李将軍列伝にもある。
備考
日常会話ではやや古風で、文章語・格調高い表現として用いられる。「羽」は鳥の羽ではなく、矢の後端に付く羽根(矢羽)を指す。
別表記
- 石を射て羽飲む
- 石を射て羽を呑む
- 石を射て羽をのむ
誤用・混同注意
- 「石に矢を当てるほど無駄な努力をする」という意味ではない。強い集中によって不可能に見えることを成し遂げる意である。
- 「羽」を鳥の羽のことと解釈するのは誤りで、矢羽を指す。
例文
- 困難な研究だが、石を射て羽を飲むという気概で、最後まで実験を続けよう。
- 彼女は石を射て羽を飲むほどの集中力で練習を重ね、難関試験に合格した。
- 不可能だと決めつけず、石を射て羽を飲む覚悟で挑戦することが大切だ。