生まれぬ先の襁褓さだめ
読み方:うまれぬ さきの むつきさだめ
意味
まだ生まれてもいない子どもの襁褓(おむつ)を前もって決める、という意から、実現するかどうかも分からない先の事柄について、早すぎる心配や計画をすることをいう。取り越し苦労や時期尚早な思案をたしなめる表現。
由来
「襁褓(むつき)」は乳児を包む布、すなわちおむつのこと。子どもが生まれる前からその襁褓を選び決める姿を、まだ必要になるかも分からない事を案じることにたとえた日本のことわざである。成立時期や特定の初出文献は明確ではないが、尾張いろはかるたの「う」の札として江戸時代以来伝わる。
備考
「襁褓」は現代ではあまり使われない語で、「むつき」と読む。実際に出産準備を早めに行うこと自体を非難する語ではなく、必要性や実現性が不明な段階で思い悩むことをいう。
別表記
- 産まれぬ先の襁褓定め
- 生まれぬ先のむつき定め
- 生まれぬ子の襁褓定め
誤用・混同注意
- 「定め」を『運命』の意味に取り、「生まれる前に運命が決まる」という意味に解するのは誤り。ここでの「襁褓定め」は、襁褓をあらかじめ選び決めることを指す。
例文
- まだ採用も決まっていないのに、昇進後の役職まで心配するのは、生まれぬ先の襁褓定めだ。
- 試作品も完成していない段階で、海外進出に失敗した場合のことばかり議論するのは、生まれぬ先の襁褓定めではないか。
- 彼女は「生まれぬ先の襁褓定めにならないよう、まずは目の前の試験に集中しよう」と皆を落ち着かせた。
分類
類義語
- 取り越し苦労
- 杞憂
- 捕らぬ狸の皮算用