煩悩即菩提、生死即涅槃
読み方:ぼんのう そく ぼだい、しょうじ そく ねはん
意味
煩悩(欲望・怒り・迷い)や、生死(生まれ死ぬこと)は、ただ捨て去るべきものではなく、その本性を智慧によって正しく見極めれば、悟りである菩提や安らぎである涅槃と別のものではない、という仏教の教え。迷いや苦しみのただ中にも悟りに至る可能性があることを説く。
由来
中国で成立した大乗仏教・天台教学の思想を表す語です。隋代(6〜7世紀)の天台大師智顗(ちぎ)の『摩訶止観』に見られる「無明塵労即是菩提、生死即涅槃」という趣旨に基づくとされます。日本には平安時代に天台宗の教えとして伝わり、煩悩と悟り、生死と涅槃を対立的に分けない「不二」の思想を示す言葉として用いられてきました。
備考
仏教、とくに天台宗で重視される教理です。「即」は単純な同一を意味するのではなく、智慧によって見れば本質的に二つではないという意味です。「生死」は仏教語で「しょうじ」と読みます。
例文
- 天台宗では、「煩悩即菩提、生死即涅槃」という考え方によって、迷いそのものを悟りへの契機として捉える。
- 失敗や苦しみをただ避けるのでなく、そこから学ぼうとする姿勢は、「煩悩即菩提、生死即涅槃」の教えを思わせる。
- 僧侶は法話で、「煩悩即菩提、生死即涅槃」とは、欲望のままに行動してよいという意味ではない、と説明した。
分類
類義語
- 煩悩即菩提
- 生死即涅槃
- 生死一如
- 凡夫即仏