無為にして為さざるなし
読み方:むい にして なさざる なし
意味
人為的に無理をして物事を動かそうとせず、自然の道理や本来の流れに任せれば、かえって成し遂げられないことはない、という意味。何もしない怠惰を勧める言葉ではなく、余計な作為や執着を離れた働き方・生き方を説く。
由来
中国古典『老子』に由来する道家の思想を表す句。通行本では第48章に「無為而無不為(無為にして為さざるなし)」とあり、第37章にも「道常無為而無不為」と似た表現が見られる。『老子』は伝統的に老子の著とされるが、成立は戦国時代(紀元前4〜3世紀頃)とみられ、正確な成立事情は不明である。
備考
「無為」は単なる無行動ではなく、不自然な作為をしないことを指す。古典由来の硬い表現で、日常会話より思想・教養・文章語で用いられる。
例文
- 指導者は細部まで支配しようとせず、無為にして為さざるなしの姿勢で、部下が力を発揮できる環境を整えた。
- 庭づくりでは自然の地形を生かすことが大切だ。無為にして為さざるなしという考え方が参考になる。
- 焦って手を加えすぎるより、時機を待つべき場合もある。無為にして為さざるなし、というわけだ。
分類
類義語
- 無為自然
- 無為而無不為
- 道は常に無為にして為さざるなし
対義語
- 有為
- 作為
- 人為的な介入