烏の雌雄を弁ぜず
読み方:からすのしゆうを べんぜず
意味
物事の違い・善悪・是非などを見分ける力がなく、基本的なことさえよく知らないことのたとえ。特に、文字や学問を知らないほど無知であるという意味でも用いる。カラスは外見から雌雄を見分けにくいとされることに基づく。
由来
雌雄で外見上の差が少なく、見ただけでは性別を判別しにくいと考えられてきたカラスを用いた比喩である。成句としての正確な初出や成立年は未詳だが、江戸時代の尾張いろはかるたに採られており、少なくとも江戸期には広く知られていたとみられる。
備考
現在は日常会話ではあまり使われない古風な表現。相手を無知だと強く非難する響きがあるため、対人評価に用いる際は注意が必要である。生物学的なカラスの性別判定だけを述べる語ではない。
別表記
- 烏の雌雄を辨ぜず
誤用・混同注意
- カラスの雌雄が外見上判別しにくいという事実だけを述べる表現だと解するのは不十分で、通常は物事の区別がつかないことや無知をたとえる。
- 「雌雄を決する」と同じく、勝敗を決める意味で使うのは誤り。
例文
- 彼は基本的な漢字の読みさえ曖昧で、烏の雌雄を弁ぜずという状態だった。
- 制度の違いを理解しないまま批評するのは、烏の雌雄を弁ぜずとのそしりを免れない。
- 本物と模造品の見分けもつかず、烏の雌雄を弁ぜずでは取引を任せられない。
分類
類義語
- 菽麦を弁ぜず
- 無知蒙昧
- 無学文盲
対義語
- 一を聞いて十を知る
- 物の分別がつく
- 博識多才