死して屍拾う者なし
読み方
しして かばね ひろう もの なし
意味
死んだ場合、遺体を拾い葬ってくれる者さえいないほど、孤立し危険な任務に身を置くという意味。転じて、他人の助けを当てにせず、命を失うことも辞さない強い決意で事に臨む覚悟をいう。現在は、文字どおりの死ではなく、並々ならぬ覚悟を強調する比喩として使われることもある。
由来
「死して」は「死んで」、「屍」は死体、「拾う者なし」は遺体を引き取る者がいない、という意である。武家・軍事的な極限の覚悟を表す文語的表現として定着したとみられるが、正確な初出資料や成立時期は未詳。近現代にはテレビ時代劇『大江戸捜査網』(1970年開始)の「隠密同心心得の条」に用いられ、広く知られた。
分類・由来
備考
「屍」は「死体」の古い語。武士・忍者・軍事を連想させる非常に強い覚悟の表現で、現代の日常会話では重すぎることがある。自殺や無謀な行為を勧める語ではない。
例文
- 物語の忍びは、「死して屍拾う者なし」の任務だと承知した上で、敵地へ潜入した。
- 彼は「死して屍拾う者なし」の覚悟で危険な救援活動に志願したが、周囲は十分な安全対策を求めた。
- 新規事業に挑む部長は「死して屍拾う者なし」と口にしたが、社員からは無謀ではなく準備を重ねるべきだとの声も出た。
類義語
- 決死の覚悟
- 死を覚悟する
- 命を賭ける
- 背水の陣