春は苦味、夏は酢の物、秋は辛味、冬は油と合点して食え
読み方:はる は にがみ、 なつ は すのもの、 あき は からみ、 ふゆ は あぶら と がてんして くえ
意味
春には山菜などの苦味、夏には酢の物、秋には香辛料や根菜などの辛味、冬には油分のある食べ物を取り入れるとよい、という季節に応じた食養生の教え。各季節の体調や旬の食材に合わせ、食事を整えることの大切さをいう。
由来
江戸時代の儒学者・本草学者である貝原益軒の養生思想に結び付けて語られる食養生の言葉で、一般に『養生訓』に由来するとされる。『養生訓』は正徳3年(1713年)刊。春夏秋冬に応じて食材・味を選ぶという、当時の本草学や生活の知恵を表している。
備考
季節の食材を取り入れる目安であり、四季ごとに特定の味だけを食べるという意味ではない。現代の栄養学・健康状態、アレルギーや持病にも配慮して用いる。
別表記
- 春は苦味、夏は酢の物、秋は辛味、冬は油
- 春は苦味を盛れ、夏は酢の物、秋は辛味、冬は油
誤用・混同注意
- 四季ごとに苦味・酢の物・辛味・油だけを食べればよい、という意味に解するのは誤り。季節や体調に応じて食事を整えるという趣旨である。
- 「冬は油」を、油脂を多量に取るべきだという意味で用いるのは不適切。現代では摂取量や脂質の種類にも注意が必要である。
例文
- 春の献立にふきのとうや菜の花を使うのは、「春は苦味、夏は酢の物、秋は辛味、冬は油と合点して食え」という昔の知恵を意識しているからだ。
- 夏ばてで食欲が落ちると、祖母は「夏は酢の物」と言って、きゅうりとわかめの酢の物を食卓に出してくれた。
- 冬は油と合点して食えというが、現代では量に注意しながら、魚やナッツなどから良質な脂質を取ることが大切だ。