故きを捨て新しきにつく
読み方:ふるきを すて あたらしきに つく
意味
古い物事・習慣・考え方を捨て、新しいものに従ったり取り入れたりすること。世の中の人々が新しいものへ移りやすく、旧来のものが顧みられなくなる傾向をいう。文脈によっては、流行を追う軽薄さをやや批判的に表すこともある。
由来
「故き」は「以前のこと・旧来のもの」、「つく」は「就く」の意。文語的な表現で、江戸時代(17〜19世紀)以降に行われた尾張いろはかるたの「こ」の札として知られる。個別の作者や初出年は明確ではない。
備考
「故き」は「古き」とも書く。新しいものを採用すること自体を必ずしも非難する語ではないが、流行に流されて旧来の価値を捨てるという批判的な含みで用いられることがある。
別表記
- 古きを捨て新しきにつく
- 故きを捨てて新しきにつく
- 故きを捨て新しきに就く
- 古きを捨てて新しきに就く
誤用・混同注意
- 「温故知新」と同じく、古いものを学んで新しい知識を得る意味だと解するのは誤り。本句は旧来のものを捨てて新しいものへ移ることをいう。
- 新しいものを取り入れる行為を無条件に褒める言葉とするのは不正確。流行に流されやすい世態を批判的に述べる場合もある。
例文
- 新製品が出るたびに買い替える人々を見ていると、故きを捨て新しきにつくという世の常を感じる。
- 伝統をすべて否定して改革を進めるのは、故きを捨て新しきにつくことにならないか、慎重に考えるべきだ。
- 流行は移ろいやすく、昨日までの人気商品も、故きを捨て新しきにつく消費者に忘れられていく。
分類
類義語
- 去故就新
- 新しきを好み古きを厭う
- 新陳代謝
対義語
- 温故知新
- 古きを温ねて新しきを知る
対比・対照ことわざ
- 温故知新
- 古きを温ねて新しきを知る