故きを捨てて新しきにつく
読み方:ふるき を すてて あたらしき に つく
意味
古いものや古くからの関係を捨て、新しいもの・新しい側へ移ること。人の心や世の中が移り変わりやすく、流行や新しい相手へ安易に乗り換えるさまをいう。多くは、そのような移り気な態度をやや批判的に表す。
由来
正確な初出と成立年は未詳。「故き」は「古い」の古語的な表現で、「新しきにつく」は新しい側・新しいものへ移る意である。近世、江戸時代に成立・流布した尾張いろはかるたの「こ」の札として伝えられ、ことわざとして定着した。
備考
尾張いろはかるたの「こ」の札。単に新しいものを取り入れることを褒める表現ではなく、古い縁・伝統を軽んじて新しい方へ移る移り気さをいう場合が多い。
別表記
- 古きを捨てて新しきにつく
- 故きを捨てて新しきに就く
- 古きを捨てて新しきに就く
誤用・混同注意
- 新しいものを積極的に採り入れるべきだ、という肯定的な教訓としてのみ解するのは不十分。多くは古い関係や伝統を捨てて新しい方へ移る、人の移り気さをやや批判的にいう。
- 「温故知新」と同じ意味にするのは誤り。「温故知新」は古い事柄を学んで新しい知識・道理を得るという意味で、本句とは対照的である。
例文
- 流行が変わるたびに愛用品を処分する彼を見ると、故きを捨てて新しきにつくという言葉を思い出す。
- 新制度を導入する際に、長年の利用者をまったく顧みないのは、故きを捨てて新しきにつく態度だと批判された。
- 昔からの取引先を切り捨てて新興企業ばかりを優遇すれば、故きを捨てて新しきにつく会社だと思われかねない。
分類
類義語
- 新しきを好み古きを厭う
- 移れば変わる世の習い
対義語
- 温故知新
- 古きを温ねて新しきを知る
対比・対照ことわざ
- 温故知新
- 古きを温ねて新しきを知る