愛してその醜を忘る
読み方:あいして その しゅうを わする
意味
人を深く愛すると、その人の欠点や見苦しい点であっても気にならなくなり、見過ごしてしまうということ。愛情が強いほど、相手を客観的・公平に見ることは難しくなるという人情をいう。
由来
中国の思想書『韓非子』「説林上」に由来するとされる。原文の趣旨は、愛する相手についてはその欠点を忘れ、憎む相手についてはその長所を忘れがちであるという、人間の感情による偏りを述べたもの。『韓非子』は戦国時代末期、紀元前3世紀ごろに韓非が著したとされる。
備考
多くは、愛情によって判断が甘くなることを戒める文脈で用いる。対になる表現に「憎んでその善を忘る」があり、好悪の感情が判断を偏らせることを示す。
例文
- 娘の恋人には気になる点もあるが、娘は愛してその醜を忘るというように、欠点がまったく見えていない。
- 上司は昔からの部下を信頼しすぎている。愛してその醜を忘るでは、公平な評価はできない。
- 彼の作品には粗い部分もあるが、長年のファンである私は愛してその醜を忘る状態かもしれない。
分類
類義語
対義語
- 憎んでその善を忘る
- 坊主憎けりゃ袈裟まで憎い